日本ハウスホールディングスを選んだ理由

ハウスメーカー評価

檜の無垢柱

日本ハウスホールディングは木造軸組工法(在来工法)を採用しており、構造材として檜の無垢材を土台と柱に使用しています。

他の木造ハウスメーカーを見てみると、スプルース(ホワイトウッド)、オウシュウアカマツ、杉の集成材が使用されており、檜の無垢材を使用している全国区のハウスメーカーは日本ハウスホールディングスだけでした。木造枠組壁工法(ツーバイ)のメーカーのスタッド(柱)は2インチの細いホワイトウッドです。

檜を柱や土台に採用しているハウスメーカーは他にもありますが、ほとんどは集成材です。我が家も梁には集成材が使用されており、集成材自体を否定するつもりはありませんが、檜という樹種を無垢材のまま使用していることに魅力を感じました。無垢材はそのまま使用すると、乾燥による変形や収縮でヒビが入ってしまうことがあります。そこで、一般的には「背割り」といって、一面に深い切込みを入れることでほかの面のひび割れを防ぐのですが、背割りにも弱点があり、割って面の割れが拡大してしまうことがあります。日本ハウスホールディングスは4面に浅い切込みを入れることで、それを背割りを必要とせず、その上で乾燥や収縮を抑えています。4面に切込みを入れることの弱点としては、柱を露出するような内装にしたときに、切込みが見えてしまうことですが、我が家では柱を露出させてはいないので、デメリットにはなりませんでした。

集成材は施工後の狂いが少なく、品質も安定しやすいことから、ハウスメーカーでは好んで使用されています。ハウスメーカーは住宅を効率よく生産することが本質であり、無垢材のような面倒が多い木材は使用したがらないのです。強度を調べるのも手間がかかりますし、施工後のクレーム発生の確率も無垢材を使用するほうが高くなるでしょう。

しかし、日本ハウスホールディングスはその面倒を負ってまで、檜の無垢材を使用しています。どちらかと言うと、ハウスメーカーというよりは工務店がそのまま大きな組織になったという側面があります。日盛会という組織があり、技術を持っている大工などを囲い込み、それを管轄するのが日本ハウスホールディングスという会社です。

日本ハウスホールディングスの木造軸組工法は伝統的な、(在来工法の歴史は第二次世界大戦後からですが)工法であり、技術や手間が必要です。

多くのハウスメーカーはドリフトピンを使った、軸組み工法で悪く言えば誰でも、技術がなくてもできる工法です。日本ハウスホールディングスもかつては近未来工法と称し、ドリフトピンを用いた工法を採用していましたが、手間賃がかからないため在来工法の8割ほどの値段で提供していましたが、やはり本物を家を売ろうということで、今は従来の在来工法のみ提供しております。

加えて、ドリフトピン工法は、梁の荷重を金物のみで支えているため、何らかの原因(火事など)で金物が劣化した場合、梁が早期に落下する危険性が比較的高いと判断しました。やはり、横架材は金物で留めるより柱に乗せるほうが合理的だと思えます。

競合としては、一条工務店のグランセゾンなどが、従来の在来工法を採用しております。住宅の性能においては、2×6を工場で組み立ててクレーンで搬入するグランスマートやアイスマートのほうが優れていますが、値段が高いのはグランスマートです。それは、やはり手間賃が在来工法のほうがかかるためで、グランセゾンはグランスマートの上位として扱われています。

このことから、ドリフトピンを使用している工法は本来であればさらに安く提供できるはずですが、そうはなっておりません。つまり、営業利益が大きい、または広告費や展示場の維持費などに予算が割かれているということになります。

そもそも、私は躯体の耐久面を鑑みて鉄骨造での建築を望んでいました。しかし、寒冷地での鉄骨造は気密性や断熱性の関係で、憚られました。

ただ、耐久性においては腐朽・蟻害の心配がない鉄骨のほうが優れていると今でも思っています。

それほどまでに、木造住宅において、腐朽・蟻害というのは深刻なリスク因子なのです。それにも関わらず、多くのハウスメーカーでは腐朽・蟻害に耐性の低いスプルース(ホワイトウッド)、オウシュウアカマツ。SPF材(重複しますが)などが使用されており、対策をしているから大丈夫だというスタンスを取っております。

それほどまでにリスクをはらむ危険因子であるのであれば、薬剤だけではなく樹種による対策も講じるべきであると考えました。檜だからといって完全に安心というわけではありませんが、他の樹種より耐久性は高いと考えられます。

オリジナルの外壁タイル

日本ハウスホールディングスは磁器質タイルを自社で製造しており、比較的安くタイル外壁を採用することができます。日本ハウスホールディングスのタイル外壁は、セキスイハイムや一条工務店のように目地(縦線)が入らず、打ち替え費用も掛かりません。タイルの工法はパナソニックホームズやクレバリーホームと近いです。

下地は14㎜の釘外打ちの窯業系外壁ですが、タイルを背着材を使用して貼ることで外打ちされた釘が隠れ錆防止の役割を果たしております。

タイル外壁と聞くと、剥離が心配されますが、現在使用している接着剤は劣悪な環境下でも60年は持つ仕様になっており、昔ながらのモルタルで張り付けるタイル外壁より優れたものとなっております。

タイル外壁は意匠性も非常に高く、日本ハウスホールディングスのオリジナルタイルのように磁器質であれば吸水率が1%以下なので非常に汚れにくくなています。

一条工務店のタイルは、釉(ガラスコーティング)がされているものの、吸水率が3%以下となっており、苔などが生えることがあります。基本的に汚れる原因は水分であることが多く、先述した通り磁器質タイルは吸水率が非常に低いため、光触媒や親水効果で汚れを落とす作用が無くとも、もともと汚れにくいのです。

しかしながら、やはりレンジフードの排気口の周りなど、油汚れなどが付着しやすいところはどうしても汚れてしまうため万能というわけではありません。特に、黒系以外のタイルは油汚れが目立ちやすい傾向にあります。

レンジフードの排気口周りの汚れを防止する策としては、リクシルの汚れんフードの導入などで、油自体を排気口に到達する前にカットしてしまうなどの対策が考えられます。

暖房はセントラルヒーティング

寒冷地の暖房設備はセントラルヒーティングを推奨しています。

セントラルヒーティングとは温めた不凍液をパネルに循環させて、家全体を暖める暖房方式です。仕組みとしては床暖房に非常に似ています。

床暖房との決定的な違いは、熱源と肌が直に接するか否かです。床暖房は足裏が常に30℃以上になります。つまり、足裏だけが相対的に厚い状態になります。カーペットなどで緩和させる方法もありますが、足裏が常に汗をかく状態になり自分は非常に気持ち悪く感じてしまいました。

その点、パネルヒーターを使用すると、その点が解消されることで万人が快適な冬を過ごすことができる暖房設備であるといえます。

ネックとしてはパネルヒーターはとても高額で、50坪の我が家で導入費用は200万円を超えました。ただ、それに対して日本ハウスホールディングスは利益を取っておらず、純粋に良いものを幅広い顧客に提供したいという考えが伺えます。

他の全館空調として桧家のZ空調や三井ホームのスマートブリーズなどエアコンを利用した全館空調があります。しかし、それらはダクトを介して各部屋にエアコンから空気を送る方式であり、ダクトの汚れが問題になってきます。

三井ホームの施主様で全館空調を導入し、その後の経過を観察した情報を発信されている方がいましたが、築数年経って、問題になるほどではないがダクトに誇りが溜まっており、数十年後はどうなるかわからないという旨のことを言われていました。さらにその方は、ダクトの清掃について大手を含む清掃会社に確認したところ、どこもダクトの清掃方法を確立しておらず、基本的には引き受け不可、または高額で引き受ける可能性がアルトのことでした。

数十年後、ダクトの清掃方法が確立され値れば問題ないかもしれませんが、全館空調自体の採用率がそれほど高くなく、需要の関係からその技術が発展する可能性は非常に低いように思えます。

そういった点では、全館暖房で比較的メンテナンスしやすいパネルヒーターは価格面を除けば優れた暖房設備であるといえます。

シロアリ対策はホウ酸

日本ハウスはシロアリ対策として木材をホウ酸で処理しています。

日本のハウスメーカーでホウ酸によってシロアリ対策をするところは非常に珍しいですが、欧米やオセアニアででは非常にポピュラーなシロアリ対策です。ホウ酸は気化しないため、一度散布すれば効果は半永久であるため、通常の防腐・防蟻材のように5年から10年で再塗布が必要ありません。

加えて、コンタクトの装着液にも使用されているくらいなので、人間に対して害がないことは言うまでもありません。

ただし、水に濡れると流されるといった弱点もあります。そのため、床上浸水などした場合はホウ酸が流れてしまうため、ハザードマップなどを確認して必要があれば、他のシロアリ対策を考えましょう。

日本ハウスの悪いところ

日本ハウスの大引はベイマツ

大引とは1階の床を支える部分のことを指しますが、そこに使用されている木材はベイマツです。ベマツは曲げに対する強度が高く、横に寝かせて使うのに優れた木材です。

耐久性においてもD1樹種というのに分類されており、D1樹種は防腐剤を使用していなくても使用できる数少ない樹種のことです。

そんなベイマツですが、耐朽性は及第点と思えますが、防蟻性においてはやや難ありです。シロアリが好む木材としても名が上がることがあります。

その点においてはホウ酸の防蟻処理により、クリアしていると考えられますが、大引にも檜などのほうがより適していると感じられます。差額を払えば樹種は変更できるようですが、建築時はD1樹種ということで安心していましたが、檜のほうがより安心できたかもしれません。

ただ、ホウ酸処理によりシロアリ被害に対する保障が初期で20年ついてくるため、そこまで大きなデメリットとは言えないかもしれません。

外壁タイルの種類が少ない

日本ハウスは外壁タイルを自社製造していますが、形状2種類×色3種類の計6種類です。

パナソニックホームズのタイルは形状だけで7種類で色のバリエーションを合わせると35種類あります。形状も様々で貼り分けたときのギャップで外観を作りやすいです。

クレバリーホームもタイルを売りにしているハウスメーカーです。ラインナップは形状だけで30種類で色を合わせるとなんと145種類になります。

日本ハウスはタイルを自社製造しているため、普段は建材メーカーなどから仕入れることがないため、アクセントでリクシルなどからタイルを仕入れると高くつきやすいです。

日本ハウスのタイルは2種類とも二丁掛けタイプで形状も似たり寄ったりで、張り分けなどをするとき、気を遣わないと外観を崩しかねません。

そして、もともとの二丁タイルの意匠性が高いため、アクセントにはそれ以上のものが求められます。そうすると必然的に高価格帯の商品になり、そのような商品は仕入れ値の値引き率も悪いため、アクセント部分だけで100万円を超えることもざらにあります。